発酵という学問を学び始めて4年経ちました

4年前の今日、自身の発酵への深い興味へと繋がる小泉武夫氏の講座「発酵は力なり」の1回目でした。

サイトがなくなるかもしれないので、講義テーマを残しておきます。

  1. 発酵って何?
    目にも見ることのできない微細な生きもの・微生物を使って、人間は「発酵」という一大文化を創造した。その発酵とは何なのか、どのような現象なのか、「腐 敗」とはどこが違うのかなどについて語る。さらに「発酵食品」の四大特徴を述べるとともに、いかに人類がこの発酵を享受してきたかについても学習する。
  2. 発酵の主役・微生物の話
    発酵を司る微生物はカビ、酵母、細菌に分類されるが、ここではそれらの微生物の基本知識を述べると共に、微生物はなぜ人間にとってすばらしい発酵生産物を つくるのかについても学ぶ。具体的には、微生物の大きさや数、繁殖の方法などを語ると共に、その代謝生産物のすばらしさについて学習する。
  3. 麹(糀)と日本人
    日本に昔からある伝統的発酵嗜好物の日本酒、焼酎、味噌、醤油、味醂、米酢、甘酒などは、「麹菌」あるいはこの菌がつくる「麹」が無いとつくることはでき ない。ここでは日本の食文化を支えてきた麹や麹菌について、その歴史や発展、麹菌の醸す発酵食品のすばらしさなどについて学ぶ。
  4. 発酵と伝統調味料
    味噌や醤油、味醂、米酢、鰹節といった伝統的調味料は発酵によって醸し上げられる重宝なものである。これらが造り上げられなかったなら、今日、世界遺産と しても提案されている「和食」の存在すらも無かったのだ。講義では、これらの伝統的発酵調味料について詳しく学ぶと共に、いかに日本の発酵文化が奥の深い すばらしいものであるかを述べる。
  5. 納豆や鰹節、種麹に見る日本人の知恵
    日本人は、世界で最も発酵文化に富める発酵王国・日本をつくり上げてきたが、その背景には日本人の弛みなき知恵と発想、好奇心などが織り込められてきた。 講義では糸引き納豆や鰹節、種麹などの造り方や食べ方などを例にして、そこに込められてきた知恵がいかに奥の深い素晴らしいものであるかについて述べる。
  6. 漬け物大全
    漬け物も重要な発酵食品である。ここでは、糠漬けや麹漬け、粕漬け、キムチなどの造り方から微生物の役割について語る。また発酵漬け物が出来上る原理を述 べると共に、発酵することにより、いかに漬ける材料が変化して美味しくなるのかのメカニズムについても語る。さらに漬け物を食べることによる体の健康維持 についても語る。
  7. 魚の発酵食品
    発酵は、野菜や根茎のような植物材料だけでなく、魚介類でも対応される加工法である。講義では塩辛、熟鮓、くさや、魚醤、鰹節など魚を原料にした発酵食品 について、その歴史や造り方、食法などについて述べる。特に、魚醤を中心にした魚介発酵食品がエスニック料理の隠し味として重宝されている現状を例に、こ れから注目されるこの分野での発酵食品を考える。
  8. 発酵と健康、体づくり
    発酵食品は免疫力が強かったり、抗酸化性が強かったり、ビタミン類や必須アミノ酸、活性ペプチドが多含したりして、健康保持食品として注目が集まってい る。講義では味噌やヨーグルト、納豆、食酢などを例に、医学的、生理学的な研究成果を述べ、発酵食品全体についての保健的機能性を語る。発酵食品はなぜ人 間の体にとって効能があるのかのメカニズムも述べる。
  9. 奇跡の発酵〜珍しい発酵食品の話〜
    フグという魚には猛毒のテトロドトキシンが含まれているが、その猛毒の卵巣を発酵して解毒し、食べてしまう食品(フグ卵巣の糠漬け)が江戸時代から今日ま で石川県に続いている。これらの例を語りながら、珍しい発酵食品(豆腐の発酵、お茶の発酵、肉の発酵、トウガラシの発酵、魚卵の発酵など)について述べ、 人間の知恵の深さを語る。
  10. FT革命〜発酵は地球と人類を救う〜
    20世紀の人間の創造した科学の発展は、その一面では地球環境や人間の生活にまで悪影響を及ぼした。ここでは21世紀に入った今こそ、発酵微生物を供使し て1.人間の健康、2.地球環境の保全、3.食料の生産、4.新しい無公害エネルギーの創造を、発酵によって行なうための学習である。こうすることによ り、地球にやさしく人間にやさしい生活環境を発酵により造り得ることを述べる。

その後、味噌作りを経て伝統発酵醸師になったり、日本酒大学に入学するほどまでに「発酵LOVE」になるとは、この時は想像もできなかった。
この最初の講義で、

甘酒は飲む点滴で、夏の風物詩だということ。昔は夏の死亡率が高く(先生の統計データ)、ブドウ糖に各種ビタミンとアミノ酸満載の甘酒を飲むことで、夏を乗り切っていた。

とおっしゃっていたことが印象的でした。
これが、私の「なぜなんだろう」という気持ちに火がついたわけです。